ICDで障害年金が受け取れる場合
1 ICDとは
ICDとは、植え込み型除細動器のことをいいます。
心室頻拍や心室細動など心室の危険な頻脈を感知して、電気ショックによる治療を行うことで予防する機能があります。
このように、心疾患の障害がある場合にICDを装着することがあります。
心疾患の障害は障害年金の対象でもあるところ、ICDを装着した場合、障害年金をもらうことができるのでしょうか。
2 ICDと難治性不整脈
ICDを装着する心疾患として、難治性不整脈の場合を例に挙げます。
難治性不整脈の場合、症状、異常検査所見、一般状態区分(日常生活などがどの程度できるかの区分)などを考慮して、等級認定が判断されます。
難治性不整脈における各等級に相当すると認められる障害の程度は3のとおりです。
3 難治性不整脈の場合における各等級に相当する障害の程度
⑴ 1級
病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全の症状(NYHA心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
⑵ 2級
ア 異常検査所見のEがあり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
イ 異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち2つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
⑶ 3級
ア ペースメーカー、ICDを装着したもの
イ 異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち1つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が1つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
4 ICDで障害年金が受け取れる場合
上記3のとおり、難治性不整脈の場合、ICDを装着していれば3級に該当します。
さらに、異常検査所見や一般状態区分の内容によっては、2級以上に該当する可能性もあります。
したがって、ICD装着によりただちに3級と考えるのでなく、異常検査所見に漏れがないか、一般状態区分について医師が適切に記載してくれているかなど、2級以上の可能性がないか慎重に検討することが大切です。
5 障害年金に詳しい弁護士にご相談ください
ICD装着により適切な等級認定を獲得するには、認定基準に照らして、必要な異常所見や一般状態区分があるかなど検討し、もれなく提出していかなければなりません。
そのため、適切な等級認定の獲得をお考えの場合には、障害年金に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。